青い亀裂/山中 烏流
夕暮れの示す赤、に
静かな夜が
そうっと足を
降ろす
生まれたばかりの
一筋の淡い青は
瞬間的に広がってゆき
世界を、ふわり
包んでしまう
ビルの窓に反射する
車のライトさえ、それは
青からもっと
深く、深く
染めて
全てが一つになる
何もかもが
ただ、一色へと
染められていく
髪の毛一本の先から
爪先までが
とっぷりと暮れて
青く作り変わるのを
私は
綺麗だと呟いたあと
何故か、笑った
(それはさながら
(亀裂から溢れた何かが
(染み込んだかのような
(ただ、純粋の
(青で
更に深くなる
黒に近付いた青は
ゆっくりと口を開けると
世界を
飲み込み始める
こうして
世界は終わるのか、と
微笑をたたえたまま
私は
目を閉じていく
(さん、にい、いち
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