崩壊の後で/海月
遠くに伸びる影を背にして向かう
過去を振り返らずに生きていけたら
どれ程に楽に生きていけるのだろうか?
今よりも幾度かマシになるのだろうか?
重ねた約束を背負うだけの日々
叶わぬ願いに頭を下げて
承知をして
いつも、反省と後悔
謝る事に少しずつ慣れてきた
崩壊の街の上で形を成す
僕ら
愛し合うことを幼いながらに学ぶ
不器用な抱擁に快楽など無く
ただ、生きている。
息と息が混ざり合い
鼓動と鼓動が重なり
僕らは生きている
子供達の無邪気な声
排気ガスの車の音
飛行機の轟音
今では全てが懐かしい
壊れた建物
歪んだ遊具
崩れた教室
僕らは何の為に生きているのだろうか?
君と僕は何故、繋がり合うのだろうか?
君の声は静かに沈む
君の瞳に僕は写らない
冷えていく指先
消えていく世界
膨大な記憶や感情
本当に生きていた
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