本屋にて 二篇/
あとら
(一)
膨大な知識と情報のひとかけらを
カバンに入れる
新たな道が開けた瞬間である
(二)
ここにいない誰かへ
向けられた魂は
ここではないどこかで
誰かの手にわたっている
そんなことはどうでもよくて
僕はすでに
終生の伴侶を
棚の隅に見つけていた
その隣では
ついに迎えの来なかった魂が
里帰りする日を
ただ待ち続けている
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Point
(2)