僕がいた。/もののあはれ
 
仕事を終え

パソコンを終了すると

そこには何も無かった

テラテラと光る黒い画面の中に

僕の顔がただ映ってた

三十歳を過ぎた僕がいた

白黒割り切れない僕がいた

自分の行き先を決めきれない僕がいた

大丈夫な顔をつくってる僕がいた

泣きたいけどうまく泣けない僕がいた

優しくも無い僕がいた

困った顔の僕がいた

人のせいに何度もしてきた僕がいた

言い訳のうまくなった僕がいた

ヘラヘラ笑う僕がいた

あなたを守ると誓う僕がいた

その誓いに怯える僕がいた

怯える僕を笑い飛ばそうとする僕がいた

テラテラ光る僕の顔を睨みつける僕がいた

まだここで踏ん張ろうと決めてるらしい僕がいた

僕をあきらめていない僕が


まだここにいるじゃないか!





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