頂戴/錯春
に
そっと 溶けて消えた。
破片は 私に忘れられるまで 私に優しかった。
肉がなくなってからも優しかった。
あいたかったカオリちゃん。
すっかり丸刈りになった頭皮を剥きだしの そのまま
虫みたいな線が 深く深く 縦断していて
私は ぼろぼろ泣きそうになりながら
今の医学は 奇跡を起こす と
伯母が泣いている の を見た。
彼氏のマサキ君とはウマクいってるの?
大丈夫 問題ないよ お母さんこれ お見舞い?
これ 頂戴
私は
カオリじゃなく
彼氏も
マサキじゃなく
皆 ちがうのに ちがうよって
もう強く言えなくて なん
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