夕凪/海月
 
渇いたばかりの洗濯物
風に揺れる穏やかな一時

何処までも途切れること無い
日々の流れに時折失望したり
少しでも希望を持ちたくて
君に甘えてみても
特に何も変わらない

時間だけが下降していく
至福の絶頂に辿り着いて
残る道は下山だけで
いつも帰り道は早かった

沈む夕日を二人眺めていた
あの頃には戻れない
擦れ違う日々

言葉や会話は錆びた玩具
動かない車の車軸の様で
噛み合わない世界

水槽の金魚は先の短い運命に似ている

流行の曲が流れて
不快な歌声
不快な楽曲
嗚呼、全てを終わりにしてしまいたい
電源を抜いてしまえば
終わりに出来る筈
だけど、それをしないのは
自分の手を汚したくない
最後の温もりを止めたくない
嗚呼、全ての関係を終了してしまいたい

世界の中心で誰に愛を叫ぶ?

鳴らない電話を握り締めて
人恋しさを求める
夜がこんなにも心細くて
震える肩を抱いて欲しい

今、静かに日が沈む

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