誇りある嬰死/悠詩
あしたあたしはあの女から命を授かる
口紅と下着とカロリーメイトと退廃の
散らばる部屋に産声を上げ
ストッキングで顔をぐるぐる巻きにされ
タンスの抽斗(ひきだし)につめられるんだ
耳をさいなむ子守歌とともに
闇にみちた時を営み
愛することも愛されることも知らず
咎めることも赦(ゆる)すことも知らず
無垢な結晶となり果てるんだ
たったひとつのあたしの使命
世界に穢されたあの女の掌を
全身全霊で蹴飛ばし
ただ熱く燃え上がる内なる炎で
呪いの烙印を刻んでやる
恐れなどない
勇気などいらない
誰よりも強く
誰よりも真っすぐに
もう一度生きたいと叫ぶ
誇り高き命を終えるのだから
再び生を授かったあたしは
過ちと後悔と嗚咽を繰り返し
泥にまみれた足で
あの女と邂逅を果たし
掌に刻まれた呪いから解き放ってやる
憎しみなどない
記憶などいらない
誰よりも強く
誰よりも真っすぐに
もう一度生きたいと叫ぶ
誇り高き魂を見届けるのだから
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