風に翻弄される根無し草/山崎 風雅
幼い頃は不遇だった
両親は不仲でケンカばかりしてた
僕がその場を和らげることが使命だと思ってた
母は父への不満を僕にぶつけ
僕は妹や弟の不満のはけ口になり
わざとゲームで負けたりして
自信を失なわせないために懸命だった
心の歪はその頃からだったと思う
友達はほとんど作らなかった
兄弟で遊ぶことがほとんどだった
もの心つくまで
家庭が異常だということに気づかなかった
安心という土壌のないまま成長したので
自分のアイデェンティティは作られなかった
少しのことで挫折して
死ぬことばかり考えていた少年時代青年時代
心を許す友もい
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