子供の大人/山崎 風雅
 

 まだ幼い頃
 両親を始めとした大人は
 大きくて
 強くて
 とても恐ろしかった

 まだ幼き頃
 大人になるって
 すごいことだと思った
 自分が大人になるなんて
 想像すら出来なかった

 難しい文字を読み
 分からない言葉を話し
 自転車や車を運転し
 どうすれば出来るのか分からないような料理を作り
 
 今は昔
 大きくなって
 綱渡りをするように
 ここまで成長した
 まさに奇跡の連続だと思う

 大人は平気で嘘をつくし
 人の悪口を言うし
 子供をバカにするし
 大人になんてなりたくなかった

 今は昔
 大人に十分になったけど
 心はそんなに変ってないと思う
 世の中のことが少しばかり分かっただけ
 子供の大人だ



 
戻る   Point(4)