ヒメジョオン/悠詩
 
アスファルトに捕らえられた君を
すくい上げたこの手が
愛だと信じていた

四畳半の沃野に
刳り貫いた天井に

それでも君は
ただ背筋を伸ばして
その時を待ち続けていた

この手が待っていたのは
君だったのだろうか
白の境界線を飛び出してしまった
慰めといたわりだったのだろうか

嘘をしっかりと握り締めたまま
アスファルトに立った
君のまぼろしを妬むと
小さな泣き声が掌を疼かせた

君のグロテスクな手足が
地面の下に置き去りになっていた

溶け出した嘘が
溶け出した君の本音を
溶け出した君の歴史を
詠う

掌を広げると
Re:
の文字

四畳半に佇む君は
少し小首を傾げていた
「ここは少し狭いの」

アスファルトに捕らえられた君を
すくい上げたこの手は






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