涙ノ声 /服部 剛
 
デパートの 
古本市の会場で 
客もまばらな閉店前 

床に落ちたクリップが 
きらりと光り泣いていた 

なぜかわたしは素通りできず 
足を止め 
屈んで拾い、ポケットに入れた 




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