夜の自画像/結城 森士
 
夜の底に潜む
白く荒い呼吸の流れ
予想外の眩暈と共に
私は落ちていきます

停滞したまま動けない意識と
静けさの砂嵐の中で
乱れている小片の明り
それは現実でなく事実です
私は落ちていくのです

瞼の内側/その眼球に
スタート地点Aが複数存在しています
私が指し示す場所を見のがさないでください
真実の点灯を捉えているのです

私はもう一つの意識で
ゴール地点Bを発見します
それは、
夜の絵の自画像に描かれた無意味な壁


戻る   Point(2)