ミラーボールの夜 /
服部 剛
事を背負うのが
少し疲れると
時々荷物を放って置いて
ライブハウスに
ぼくはゆく
一曲ごとに口笛鳴らし
飲めない酒をぐいと飲み干し
客席から唄歌いの名を叫ぶ
時にはそんな夜もいい
そうして
自分の破れちまった
いつかの夢を
手を胸にあて
脈打つ鼓動の内に
あたためる
無数の蛍が
床に舞う
ミラーボールの夜
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