孤独/kei99
 
あの時

あの瞬間に

なんで僕は

たたずんでいたのだろう





世界は半透明に

まるで水あめのよう

どろっとして

ぬちゃっとして

生暖かく

ゆっくりと

ゆっくりと

変化して





気づいた時

それはもう

世界はオレンジで

卵の黄身は暮れかかり

あの娘は前で

誰かと手を結び

遠くへ行ってしまった







周りは暗くなり

豆腐屋のラッパは遠く

やがて犬が吠えている

影が怖いのだろう

誰かが言った

馬鹿馬鹿しい

僕は呟いた
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