悪夢/
彌月
夜の闇に雪が舞う
灯りなどないのに
冷たい光を
放ちながら
風に踊り雪が舞う
風音に混じり
高く悲しく泣く声が私の凍えた耳に届くのだ
しばれた体を
引きずるように
声の主を
探せども探せども
見つからず
轍に足をとられ
途方にくれる
助けを呼ぶが
通る人もなく
雪の冷たいぬくもりに抱かれ
睡魔に身を預け
賭のような心もちで夜明けを待つ
闇が一層濃くなった一瞬の後
空が輝き始める
そんな悪夢を
みたのです。
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