春に過ごす/mizu K
目のまえがぱあと明るくて足もとのきんいろの草っぱらがどこまでも続いていると思ったら
それはそれはわたしの夢のなかでのできごとで
目をあけるともうお日さまはずいぶん高いところにえっちらと昇っておられるのでした
せっかくの土曜日の晴れなのにもったいない
三文損したかなあ、えーい、二束三文がなんじゃー
今日は晴れててごきげんだからわたしは気前がいいんじゃー
おらおらー、くるしゅうないくるしゅうない、もってけもってけー
って寝ぼけた頭でごにょごにょ言っていたら
いつのまにか眠気をもっていかれて目がすっかりさめてわたしは
床の上に素足でぺたんと着地して、ぐうーんとのびをしてついでに
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)