メールの雨/渡 ひろこ
それは波状的に
ワタシに繰り返し降ってきて
そのたびにワタシは
戸惑い 恐れ
そして
喜び 酔いしれた
歓喜の雨は
最初は小さな透き間から
だんだんと浸透して
満々と水を湛える
深い湖に
姿を変えた
危険水域スレスレで
堰を切ったら
愛しさの大洪水で
溺れそうだ
苦しんで
もがいて
伸ばした手を
誰がつかんでくれるのだろう・・・
降りつづいていたメールの雨
今はもうすっかり干上がって
クレーターのような湖の痕だけが
ワタシの
心の闇に
沈む
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