『産声』/
しろいぬ
産まれ落ちて流した涙
その一筋に意味があるなら
どうかそれを悲しみの色に 染めたりしないで
柔らく抱かれ搾った叫び
その一声は嘆きではなく
祈りなのだと
その瞬間 開かれた扉
掴みとった鍵を挿して
望んだ今日と明日
遠吠えた声は彼方へ
誓った決意と覚悟
産まれ落ちて涙したこと
その一筋に意味があるなら
扉の前で朽ちた生命
その幾億を悼んだ祈り
その幾億へ捧げた誓い
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