七匹目の子山羊へ
七匹目の子山羊たちへ/焼石二水
玉手箱の中で
暮らしている子供達と
とても
普通の話しがしたくて
両手を広げて挨拶したら
裏切り者だと、指を指される
そんな((柔らかな陽の中にいて尚
黒い手は母さんじゃない!!」
そんな((きれいな水で潤って尚
枯れた声は母さんじゃない!!」
*
今日
小麦粉を買い忘れた
それを手に塗れば暮らしの目処も
立つのだろうか、と。そんな
声も
奪われて過ごした
一日中
子守唄は歌っていたけれど
揮発して行くから
大事な意味があったのに
人影もなく
井戸にも水はないようで
甘いものにも逃げられない
まるで
((透明
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