窓辺/山中 烏流
 
まだ、淡い光の粒が
生温い風に乗って
私の目の前を
きらきらと通り過ぎた
 
限り無く空に近い
窓辺から首を出して
その、行く手を追い掛けても
追い付ける筈は
なく
 
 
 (目でとらえた)
 (刹那、)
 
 (きらきらと)
 (去って)
 
 
鳴り始めた
羽の震える、音が
鼓膜を激しく揺らして
世界を歪めていく
 
途切れ途切れになった
意識を繋ぎ止めるかのように
私は、深く
澄んだ蒼を吸う
 
 
 (瞬間)
 
 (私は、蒼く)
 (光り)
 
 
空に佇む
白さを増した太陽は
まだ、私を灼くことを
忘れてい
[次のページ]
戻る   Point(9)