スベスベマンジュウガニ饅頭/nm6
 
よこあるくスベスベを、イメージの先に融解する。
涼しくさらっていく風が、撫でるのは喧騒だ。


こうしてぼくらは息をしていて、いつもいつも、いろいろな状態をことばにする。悲しい。うれしい。お腹がすいた。気持ちがいい。歩きつかれた。もうこんなのは散々だ。生きているのはなんて楽しいんだ。それぞれ名前があるけれど、それは偶然といたずらが積み重なっただけで、いわば場合でしかない。涼しくさらっていく風が服の隙間をすり抜けてゆけば、周辺はなんでもいいことばかりだ。


どこにいるんだろう。
ぼくらはいつも、問題から先に放り入れてしまう。


岩の多い海岸へと、車を飛ばす。走り抜けて覗き込
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