年上の彼女。/空 春色
あれから 三つ歳をとって 僕らは再会した。
彼女は 相変わらず綺麗で
その横顔は 昔のまま優しかった。
君は突然 僕の手を握り締め
その手を開いたかと思うと 手相を見るように眺め始めた。
「働く男の手になってきたね。がんばってるんだね(^^)」
「こういう手 好き♪」
そう言うと君は 僕の左手の甲にキスをした。
驚いた僕は
「そんなことないよ!」
と、手を隠した。
褒められたのは すごく嬉しかった。
でも 何度洗っても落ちない 爪のスキマに染み込んだ汚れ。
決して 綺麗とはいえな
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