深夜のコンビニは誘蛾灯のように。/yuma
テレビもついにカラーバーが流れ始めた頃
やはりぽつりぽつりとコンビニにも人がいなくなり
普段は聞こえないBGMがふと耳に入ったりする。
誰もが寝静まった中で道路沿いに街灯も無ければ
ただこの店の中だけが煌々と明かりを撒き散らすので
いまこの瞬間だけはここが世界の中心であると勘違いしたりもする。
真夜中の気まぐれで売れていくおでんの玉子は
店員に得意げにざまあ。と呟いて
500ccの排気音とともに去っていく。
眠れぬ詩人がそっと店に忍び込み
眠れる店員の耳元で
朝焼けよりもその前が美しいと呟く。
深夜のコンビニは誘蛾灯のように。
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