I'm here/灯和
 
 浅い夢に色を塗って
 コバルトブルーの空にして。
 辛いことがあったとき
 一人心の中だけで
 泣けるような大人になるには
 まだ、時間がかかりそうです。
 箱庭の小鳥が
 飛び立った瞬間、
 冷たいダイアモンドに変わり
 静かに煌めきを放ちます。
 優しい、
  エーテルの
 水を鮮やかに染め上げる
 朝日のため息 の、朱(あか)
 水が決して濁らない理由を、
 まだ 誰も知らない。
 あいしている、という呟き
 いつか、口にするのだろうか
 大人になるためには
 ほんの少し、時間がかかる。
 そもそも僕たちは本当に大人にはなりきれないのかもしれない。
 そして、インディゴブルーの空となった
 夢の景色は、続きます。
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