機/結城 森士
 
揺れる雑草が笑って朽ちる
滲む太陽が泣いて沈む
死に絶えた魂が此処に
血を吐きながら腐りゆく
俺は生きながらえて
ただ腐敗を待つ

退路を断たれた魂よ
地に堕ちた精神よ
失われた感情は
此処に生きる

きっと感情は
誰かに配達されるだろう
透明な水が注がれ
俺の意識は消える

今まさに
見えない透明の水が数滴
食器棚からぽたぽた落ちている

そしてこれは停電だ
俺は何処かにいる


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