言葉の形/猫のひたい撫でるたま子
阿佐ヶ谷を散策をした。
みすゞという名の猫がいる、狭い古道具屋を見つけて長居をした。
今年の4月に阿佐ヶ谷の外れにぽつんと営業し始めたお店で、土間の様になっている店の部分と、一段上がった畳の部屋に猫と店主が座っているという古い商店に似た造りになっている。
そこで店主に売り物のアコーディオンを鳴らしてもらったり、家具の年代を聞いたりお話ししていたら、まだ店頭に並ぶ前の素敵な商品を見せてもらった。
それはなんと、写植の原盤であった。
写植とは、写真植字の略で、一般的にはしゃしょく、しゃちょくとも発音されるらしい。「写植機」とは、電算写植のという機械。何種類ものフォントで作
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)