瞬き/山中 烏流
ゆらゆらと揺れる
木々の間で
風に吹かれて
瞬きを思い出す
一つ、ぱちんと
音をたてて
瞬きをしてみると
風がそっと
頬にキスをした
吸い込まれそうな
深い、青の下で
何度も
何度も瞬きをして
その刹那の断片を
全身で感じとる
(息を吸う/吐く)
(風を聞く/吹く)
染められそうな
淡い、赤の下で
何度も
何度も感じ取って
その刹那の断片を
脳裏に焼き付ける
(空を見る/見つめる)
(陽を受ける/吸収する)
ざわめいたように
空を隠す木々は
まだ、ゆらゆらと揺れて
風が吹く度に
私は瞬きをする
(ぱちん、ぱちん)
私は、瞬きを、する
(ぱちん、ぱちん)
私は、瞬きを、する。
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