おっぱい/六崎杏介
姫林檎の樹々揺れ
書架の木陰に隠蔽された
女の胸を
神聖に這うトカゲ
―haut,ル'taut,arletout
幼子らの求める
乳白色の愛は
智慧の木立に幽閉されて
女の胸をトカゲが這う
―haut,ル'taut,arletout
いづれ落首する
姫林檎の紅い雨に埋もれ
白さの際立つ一対の
はだけた乳房をトカゲが這う
―haut,ル'taut,arletout
そうして女の白い胸が
双子の世界卵に成る日迄。
「Oh,パイの焼ける香りを羽織り
タルトタタンの審美眼」
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