あ/山中 烏流
 
愛すことを忘れた
曖昧な笑みで
あなたに似たあたしは
赤い糸を
あちこち千切っている
 
朝に疲れてしまった
あたしは、そっと
新しい夢を見る
明日を、探している
 
 
飽きのこないように
甘さを含ませた
 
アイドルの猫なで声は
明後日、聞くよ
 
 
当たり散らす前に
あたしの指先を
操ってみて
 
足音は消したまま
愛情は
明かさない方が、いい
 
 
雨音で全部
あやふやになるから
 
甘えた後も全て
悪夢として
 
あの日に、帰るから
 
 
 
会いに、いくから。
戻る   Point(10)