小詩集【金貨のためのオルゴール】/千波 一也
 



  めぐり逢いたければ
  包みこむこと

  たやすい顔では叶わない
  すべてに
  すべて、と
  満ちてゆくこと
 

  崩れてゆくようにして、
  つぎは
  はじめて
  つぎ、になる


  押しても
  流されても
 
  おなじ尾のために
  繰りかえされる
  ものがたり


  雨をすくっても
  雲をえがいても
  虹をのがれても

  予感はこぼれる

  素直なままを
  それぞれに
  ただ







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