「エア」/ソティロ
 
「エア」






朝に
日差しがつよくて
風は涼しい朝に
特にとても疲れて
寝床に倒れるとき
ふっと
包まれてしまう
ことがある
すごく静かで
時間はゆるくて
空気に似た
布、を
そうっとかけてもらったような
ああ、きた
と思う
それでぼくは
かなしくなる準備をはじめる
耐えるため、ではなく
すべて受けるための
逃さないための
はじめは見つめられる
それから
布をなおしてくれたり
そんな
ずっと近くにいる
存在を淡く
しかし確かなものとして感じる
居ないひとの
それは反芻ではなく
あくまで今のできごとで
目には見えない
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