いきづく花/soft_machine
 

それはいつまで経っても明日にならない
俺は始まりからずっと遠くてもっとぶ厚くて
お前の衰弱しきった太陽が忘れられない
明ける夜に挿された首のひやっとした
どの空も拒んで傾いた
それは動くものがあってならない警句
毛羽立つ黄金が揮発してゆく叫びや
ゆらめきの裡に褪色する悦びのグラスに
陰りの中で感じる生を生きるだけ生きて
俺達は近づく終わりに恐れながら
ふたりの川岸でうなだれ
ひとつの月を喘ぐ
はだかの俺を接吻で吸うと
お前は暗闇の味がしただろう
ならば
それは明日に向けて引き絞られた色彩の弓に
散るアルストロメリアが
手離すつめたい肌と肌

そして始まりか
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