いたずら/まんぼう
 
静かな夜にいざなわれた
私はそのまま往ってもよいと思った
いざないは何度か尋ねてきたが
気付かぬ間に帰っていった

私は空ろな骨だった
呼び合うものたちの声に気付かなんだ

今夜月明かりの夜空に
黒い山の尾根が音楽のようだ
月が滑って降りてきそうなので
おなかの肉をきゅうっとつまんでみた

小さなものを
大きな骨で護っていた
夜空の星だった
きらきら光るので眼がくらんだ
静かに聴きなさいと
いざないは並んで座った
FM放送からシンフォニーが流れていた
それは世界のすべてだった

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