門 /
服部 剛
路上に棄(す)てられて
崩れた米の塊(かたまり)
割れた破片のまま
空の雲を映す鏡
何事も無い顔で
わたしはそれらを通り過ぎる
遠く置き忘れた
砕け散った日々の欠片(かけら)は
見えないふりで
一本道の向こうに
今日という日の門がある
わたしは歩む
あの門の向こう側で
他の誰でもない
わたし自身となる為に
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