草刈合戦/錯春
 



 ふと、べらぼうに草を刈りたくなった。生い茂った背の高い、エノコログサやオオイヌノフグリみたいな背の低い草ではない草を。
 しかし今は夏では無いし夏休みでもないし。うちの地元はもう長いこと川が氾濫していないもんだから立派な草を刈れそうにもない。ので。
 しょうがないので、目を閉じた。



 大きな草。なんて立派。もう雑草とは呼べないくらいの。
 私の背丈をひゅういと追い越して、なお高い。
 ふとわきを見れば、新しい草がさわさわとその背を伸ばしている。
 この草達は成長してるんだ!と
 ごくごく当たり前のことをしみじみ感じた。
 見れば手には軍手と鎌が
 遠くの
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