郵便/
猫のひたい撫でるたま子
さよなら、あなた
夏服をありがとう
けちで、やさしい、太めのあなた
眉間にしわを寄せ、服をたたんでくれたのね
忘れ物をしてごめんなさいね
あなたの部屋から都電の音が聴こえてくるわ
なにもない夏の日
長い駅からの道
汗が首筋をつたうのを放っておいたわ
退屈を一緒に過ごしてくれたね
つまらないセックスを何度かしたね
夕方の時間が恐ろしくって
二人でバイクで出かけたね
あのままさ、憂鬱のバイクで逃げてしまえばよかったね
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