潮騒/soft_machine
盗んだたばこを干し呑んだ冬枯れの日
降り積むひかりを踏みしめると泣いて
頭が乾いて冷たく割れた
おんなと名乗る人に連れられ
水垢まみれのざらつく家には
もう帰らないと告げる
曼谷の棚裏に隠れまた火を点した日
蔓のさきっちょに桃の薫で仏像を刻む
ストローをくわえた蝶々たちが
ずう、ずう、ず、腰ふりながら
蟀谷を塞いで
気鬱を咥えた
難破した岬に行き着いたのは
逆さまな屋根が構えの暗がりに
おんなと名乗る人を連れさったあの日
油臭い老犬の毛皮が幾度も砕かれ
波が噛む岩に吐いた唾の音まで淫らで
月のカーブが岬の肱から解かれた頃
おとことおんなのすることは
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