テーブル/おるふぇ
ぽとん、と落ちたテーブル
悲しみに溢れたテーブル
俺と泣いていたテーブル
どこまでも落ちていくテーブル
テーブル
そのテーブルの上には
ゴミみたいな希望しか
並んでいないよ
テーブル
そのテーブルの下に
俺はずっと隠れていたが
誰も見つけてくれないよ
そして俺と落ちていく
涙のモチーフへと
ゆらぎながら
落ちていく
ずぶ濡れの傷痕を
いつかの祈りに
やさしくうつくしく
融かしていきながら
林檎が落ちるように
ニュートンさえも
識別できない速度で
落ちていく
俺とテーブル
青ざめた暗い柩へと
さめざめと泣き笑いしながら
止められない落下運動
月の飛沫が
その単調さに
慈しみを加える
ここは煉獄じゃない
多分、違うと思う
だってあんなに
薔薇がきれいだ
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