詩人/おるふぇ
 
詩を殺すのはいつも詩人で
詩を愛するのはいつも他人で
涙を流すのはいつも美人で
笑顔を殺すのはいつも愚人で
君はいつのまにか大きくなって
僕の目の前を通り過ぎていった
大人になる怖さからナイフを持って
詠う強さを忘れていった

言葉が生まれる前からもう詩はあって
言葉になる前にもう詩はあって
そういう世界に生まれたから
君をどう愛せばいいか解らない
もしも命が駆け巡るなら
君に似合う花を探して
毎晩 玄関の前にそっと
置いて去ったら君は
その花を枯らさず
育ててくれるかな

人を殺すのはいつも人で
人を愛するのもいつも人で
そういう時代に生まれたから

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