【消えた小龍包】/つむじまがり
消えた小龍包
せいろの中に こじんまりと佇んでいたはずなのに
蓋を開けたらいなかった
一日の疲れを癒すあの甘い肉汁も無くなった
れんげの中で慎ましやかにしながらも誇りを持ったあの小龍包
肉まんよりもその存在感(あるいは満腹感)は小さいけれど
わかる人には解るその繊細さ
人の心の奥底に 静かに波紋を起こす
その甘くすっぱくほろ苦い
あなたの詩(うた)にとりつかれた多くの小龍包ファンは
失望するだろう
小龍包のいない せいろなんて…
小龍包のいない れんげなんて…
小龍包のいない 現代詩フォーラムなんて…
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