いつかの海へ/おるふぇ
君がおばあちゃんになったら
若い頃にデートで
よく行ったあの海に
連れて行ってあげる
あの頃と変わらない
でも何か違う
そんな景色が
二人を迎えてくれるから
遠い異国から
波は届けにやってくる
家族の思い出とか
恋人達の悲しみとか
戦の残酷さや不条理とか
僕らの知らないことを
波は静かに運んでくるよ
まぁ それはそれとして
僕らは何にも考えず
素直に歩いて行こう
波打ち際で手を繋ぎ
砂浜に裸足のまま
二つ不揃いの
足跡をぺたぺたつけて
誰もいない
季節外れの海は
とても静かで
波は穏やかで
僕らはあの日を思い出し
微笑んだりもし
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