コーヒーが苦すぎた/nm6
 
あれ
紺色に透明な夜に降り続いてこじ開けた
明けたら砂糖水がいつのまにかこんぺいとうになって
「お早う。」

揚々と
響く頭が予想以上に甘くなって
甘い 甘い 甘い 甘いと
踝がだるくなって寝直して頓挫して気を取り直して
吸ったタバコは知らない奴ので思いのほか 不味い

食塩水ならそれはそれで
乱痴気に酔ったまま 破廉恥を引き摺ったまま
狂おしいほどどこかを確実に痛めたのだろうけど
マイナスイオンだ
おかげでちょっとはましな朝だ

とはいえ何にせよぼくらはソーダ水なので
そうでもないふりをするのはいずれにしろ得意で
靴下の先が濡れたまま巻き戻して
あれ でも
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