視線、嘘吐き。/海月
過去に戻れることが出来るのならば
五秒で良いから戻りたい
そして、一言を交わして
元の世界に帰りたい
其処に変化がなくても
心の奥底は変化しているはず
誰かが手を差し伸べてくれるのを
ただただ子供の様に待っているの
変わり映えのない空
微かに吹く風
忙しく歩く人々よ
何処へ行く
愛とは形のない凶器
愛情とは動機に過ぎない
なぜ、愛してしまっていたのだろう
最後に辛くなる事を何度も理解しているのに
君の癖を見抜く瞳
嘘を吐く時に視線を外す癖
ため息を吐く時は愚痴を聞いて欲しい時
夜に電話を掛けるのは泣きたい為
私から別れたいと言った時
君は視線を外して別れないでと言った
これで、よかった
よかったと思える
私のことを大切にする、傷付けない
そんな約束をしてくれたのに
あの時は視線を絡めたのに
やっぱり外していたのかも知れない
だから、
私は過去に行き視線を外して呟く
嘘吐き
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