指切り、愛し紡ぎ/山中 烏流
指切り、愛し紡ぎ
離すのは勿体無いと
絡めたまま
指切り、愛し紡ぎ
切るには惜しすぎると
繋いだまま
小指同士の契りに
約束なんて
本当は、必要無くて
ただ一言
耳元に寄せて
愛を、唇から
紡げば
契りの糸を
お互いの小指に
絡めれば
良くて
(約束は、要らないから)
(お互いに)
(お互いへと、誓いを)
(誓いを)
指切り、愛し紡ぎ
赤い糸は絡めたまま
暗がりを抜け出して
指切り、愛し紡ぎ
誓いを熱に込め
唇を重ね合う
愛を、紡いで
(ずっと、ずっと)
(一緒に)
(一緒に)
戻る 編 削 Point(5)