蹴飛ばす夕暮れ/iloha
 

猫たちが
しっぽを揺らす街道に
昨日の音がゆるりと転がり
厚いお揚げが
二階の子どもたちを誘いだす
握りしめたガラス瓶を放り出し
世界を開く勝手口まで競争した
あの砂利道を覚えているかい?
田んぼの肥やしのにおいで
膝を血まみれにしたって
肘がひっくり返ったって
破れない鼓動に
闇から芽吹く細胞が
震えた
あの夕暮れ、
ぼくらを
蹴飛ばしにやってきた
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