にじのみさきにて/さち
 


ここはどこかとおもう
そしてすぐに
ここは大地だとおもった
風がふいて
雨がふって
鳥がないて
いきて
いる



奏でる というようなものではない
どこからともなく湧き上がる
誰かが呟きだす
それは
真っ直ぐな点線のように
そして
螺旋のように
呼応する響きが徐々に絡まりだす
まったく自由に
好きなように

呟きは笑みを浮かべる
いつしか溶け合って
一度限りの歌になる
響きあう喜びが高まる
酔ってゆく
音にまみれてゆく
空へ昇ってゆく
地を這ってゆく
森に吸い込まれてゆく
どこからどこまでが歌なのかわからない
ずっとずっと広
[次のページ]
戻る   Point(18)