呼吸/山中 烏流
朝靄に隠された
乳白色の意識の中
息を潜めるだけで、聞こえる
それが終わりではなく
始まりであることを
裏付けするような
透明と不透明は
限り無く澄みきって
螺旋の配列を
組み換えることを、
許さずに
だから
迫り来る
朝のスクランブルで
私は息を潜める
何かが音を
不意に鳴らしてしまうのを
じっと
じっと、待って
息を、潜める
空気が鳴る
水が鳴っている
空が鳴いている
全てが、鳴り始め
大きく
息を吸いきってしまうことを
あの螺旋を
見張るときの目で睨み
許しはしない
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