今日/松本 涼
 
聴き慣れない
ラジオの
音楽に

飛び降りた
車道の
風に

吐き捨てられた
剥き出しの
台詞に

グラス越しの
炭酸水の
泡に

無表情な
電話口の
沈黙に

疑わしい
一房の
愛にも

それぞれに
宿る

今日という
胞子






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