空の波紋 /
服部 剛
長い間
「 わたしなんて・・・ 」
と俯(うつむ)く影を
地に伸ばしていた
ある晴れた日
緑の掌(てのひら)をいっせいに振る
背の高いポプラ並木の道で
ふと立ち止まり
頭上の空を見上げると
「 わたしは、ある 」
という音の無い声が響いた
頭上にひろがる空と
わたしの心の空に
不思議な波紋(はもん)が
ひろがった
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