詩/蝶子
書きたいこと
書きたいことはたくさんたくさんある
次から次へと噴出する感情
それらが蒸発してしまう前に
ガラスの瓶に少しだけ詰めて
机の上に置いて
眺めて
振って
眺めて
言葉でスケッチをしてみる
そしてそれを元に
壮大な壁画を描くんだ
誰もが立ち止まって見とれてしまうような
そうしたい
そうしたいんだが
私のパレットの上の色数があまりにも少ない
あるいは色が集まっても私の筆遣いがあまりにも荒くて
乱雑で
不器用で
納得のいく壁画がいつまで経っても出来上がらない
君には見えるだろうか
この描きかけの大画面が
君には想像つくであろうか
私が目指しているもの、私が追い求めているものが
もし見えるのならば
もし想像がつくのならば
私に是非教えて欲しい
なぜならば
私にはもはやもう
壁画の完成図も、未完成の壁画自体も
見えなくなりつつあるのだから
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